相続税の節税方法 2022/9/1

税理士に相続税の相談をするメリット

税理士に相続税の相談をするメリット
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税理士に相続税の相談をするメリットは非常に多くあります。時間の確保をはじめ複雑な控除、または今回控除を使うべきなのか、土地の評価を下げる検討要素、専門家でないと分からない部分を税理士によって解決することが出来ます。

税理士に相続税を相談、主なメリットは7つ!

今回の記事では相続税に関して税理士に相談するかどうか悩んでいる方に向けて、相続税に関して「税理士に相談するメリット」についてご紹介します。

  1. 時間の確保
  2. ペナルティの回避
  3. 小規模宅地の特例を受けられる
  4. 配偶者控除を受けられる
  5. 二次相続を踏まえた計算
  6. 土地の評価額をおさえる
  7. 税務調査での立会い

税理士に相談するメリット①時間の確保

相続申告に関して税理士に相談するメリットとしてあげられるのはまず「時間の確保」です。
相続が発生するとやらなければならない手続きが膨大に出てきます。そしてその中には期限が設けられている手続きもあります。

期限が設けられている手続き

相続の各手続きの期限
7日以内 死亡届
3ヶ月以内 相続放棄・限定承認
4ヶ月以内 準確定申告
10ヶ月以内 相続税申告

これら期限付きの手続きの中には期限を過ぎるとペナルティが発生するものもあります。
また特定の期限があるわけではないですが相続発生後早急に始めなければならない手続きはこの他にもあります。

早急に進める手続き
葬儀や金融機関の解約
保険会社への請求
社会保険関係の手続き
遺言書の確認
遺産分割協議

税理士に相談することで相続における税務部分に関しての時間的な負担が減るほか、相続に付随するその他の部分に関しても提携している弁護士や司法書士がいるので、誰に相談したらよいのかなども気軽に相談することができます。

相続に関する「税」以外の業務

  • 相続人同士でモメてしまっている
  • 相続で取得した不動産の名義変更
  • 財産目録を作成したい

これらの問題は弁護士や司法書士への相談となりますが、多くの場合税理士を通して紹介を受けることができます。

税理士に相談するメリット②ペナルティの回避

期限付きの手続きの中には期限を過ぎた時にペナルティが発生するものもあります。
それぞれ期限を過ぎると「無申告加算税」や「延滞金」などが課せられます。

無申告加算税と延滞税の税率

無申告加算税
納付額50万円まで 50万円を超える部分
15% 20%
延滞税
(納付期限の翌日から)2ヶ月まで 2ヶ月以後
年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合 年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合

なお、

  • 自分で申告をしようと思っていたが申告期限に間に合わなかった!
  • 申告義務がないと思い申告しなかったら実は申告義務があった!

このような場合でも無申告加算税+延滞税が発生してしまうので注意しましょう。

ペナルティの回避

☑無申告加算税や延滞税を避けるために相続が発生したらまず
相続申告をする義務があるか」を税理士に相談することをお勧めします。

税理士に相談するメリット③小規模宅地の特例を受けられる

相続に関して税理士に相談することによって相続申告をしなければ受けられない「控除」を受けることができます。 相続税申告をすることにより適用条件に該当すれば小規模宅地の特例を受けることができます。

税理士を活用し小規模宅地の特例を受けるメリット

小規模宅地の特例は一言でいうと「自宅として使用していた土地を8割減で評価することが出来る」特例です。
例えば小規模宅地の特例を使うことによって1億円の土地を2,000万円として評価し相続税計算をすることができます。
相続財産の評価がそれだけ変わりますので、この小規模宅地の特例を使うことによって相続税の支払い金額も大幅に変わってきます。

小規模宅地の特例を受けるには条件がある

この小規模宅地の特例を使うためにはいくつかの条件があります。平成30年4月の税制改正により税務署も税金逃れのためにこの特例を利用する人たちを厳しく取り締まるようになってきています。ご自身で申告されるという場合はよく注意して自分が本当に要件に該当しているかを確認する必要があります。

この小規模宅地の特例を受けることの出来る要件は非常に複雑ですので、税理士に相談することをお勧めします。

税理士に相談するメリット④配偶者控除を受けられる

配偶者控除により1億6,000万円の相続税控除

配偶者控除とは相続により残された配偶者のための軽減措置で、配偶者への課税価格が1億6,000万円(課税価格が1億6,000万円を超えても法定相続分)までは相続税がかかららないという制度です。

相続で配偶者控除を受けるための注意点

とはいえ、すべての相続で配偶者控除を受けられるとも限りません。また、配偶者控除を受けることで、かえって損してしまうケースも存在します。配偶者控除を受ける前に確認しておくべき注意点は以下の通りです。

この配偶者控除も控除を受けるためには相続税申告は必要です!

(※課税財産が0になるとしても!)

配偶者控除を受けるためには要件を満たしていなければなりません

  • 戸籍上の配偶者ですか?
  • 遺産分割が完了していますか?

添付書類が別途必要

  • 被相続人の戸籍謄本(被相続人が亡くなってから10日を経過した日以後のもの)
  • 遺産分割協議書
  • 遺言書等 (遺産分割協議書の場合は相続人全員の印鑑証明書も添付)

配偶者控除を使わない方がいい場合もあります!

二次相続を考慮し配偶者控除を使わない方がいいケースもあります。

税理士に相談するメリット⑤二次相続を踏まえての計算

二次相続とは両親が亡くなった時の相続のこと

一時相続は相続人に配偶者がいる場合の相続で、二次相続はその配偶者が(両親ともに)亡くなった場合の相続です。つまり父親が先に亡くなり行われる相続が一時相続、そのあと母親が亡くなった時に行われる相続が二次相続になります。

例えば先ほどご紹介した「配偶者控除」も二次相続を考えると使わない方がトータルで考えると節税になる場合があります。

二次相続を考慮して配偶者控除を使用しない方がいいケースとして考えられるのは

  • 配偶者が高齢
  • その他の相続人として子供がいる
  • 相続財産に不動産が含まれる

などの場合です。 この場合には二次相続を考慮して配偶者控除を「使わない」という選択肢も検討する必要があります。

この二次相続のことも踏まえ「今回控除を使うかどうか」という部分でも経験豊かな税理士に相談することにより総合的な判断をすることができます。

税理士に相談するメリット⑥土地の評価額が変わる

相続財産で大きな割合を占めるのが土地の財産です。この土地部分は金額が大きいだけに税理士によって収める税金は大きく変わってくる部分です。

税理士に相談することで土地の評価が変わる?

この土地の評価に関しては評価方法に”あいまいな部分”があるため、誰が評価するかによって金額が大きく変わってきます。

例えば預金に関しては1億円の預金があれば評価も1億円ですが、土地に関しては1億円の土地も評価方法によって5,000万円になることもあります。
当然、相続財産の評価がそれだけ変われば相続税額も大幅に変わってきます。

税理士に相談して土地の評価を下げてもらう

税理士に相談することで様々な減額措置を適用し土地の評価を下げることが出来ます。

かげ地割合

評価対象の土地が不整形の場合、正方形の土地に比べ使い勝手が悪いという考え方からその不整形の程度、地区及び地積の大小に応じ、相当と認められる金額を控除した価額によって評価します。

地積規模の大きな宅地の評価

地積規模の大きな宅地の評価とは、「面積が広すぎてマンションが建てられない」「道路を通さないと売れない」など使い勝手の悪い土地を考慮した減額措置です。

具体的にはこのような適用要件があります。これら全てを満たしている場合には土地評価の割引を受けることが出来ます。

地積規模の大きな宅地の評価の適用要件
地積が三大都市圏では500㎡以上、三大都市圏以外では1000㎡以上であること
普通商業・併用住宅地及び普通宅地地区に所在していること
指定容積率が400(23区は300)%未満であること
市街化調整区域・工業専用地域の土地でないこと

地積規模の大きな宅地の評価では以下のような補正率で土地を計算することが出来ます。

規模価格補正率 三大都市圏 三大都市圏以外
500㎡ 0.8
1000㎡ 0.78 0.8
2000㎡ 0.75 0.76
3000㎡ 0.74 0.74
4000㎡ 0.72 0.73
5000㎡ 0.71 0.72

土地の評価は金額が大きい部分であるため、この土地の評価額が変わるという部分が税理士を活用する一番のメリットと言っても過言ではないかもしれません。

税理士に相談するメリット⑦税務調査の立ち合い

相続申告に関して税務署からの調査を受ける件数は平成26年には1.2万件の調査がありました。全体として相続件数が5.6万件ですので、21.4%(約5件に1件)の割合で相続に関しての調査を受けていることになります。

平成26年 相続調査件数
相続件数 相続件数5.6万件
相続調査件数 相続調査1.2万件

(約5件に1件の割合で相続税申告の調査を受けている! )

相続税調査の内容

この相続調査の理由としては81.9%(9,930件)が申告漏れ等によるものとなっています。実際にあるはずの相続財産を隠ぺいしていたというケースもこの中にはありますが、

  • 持っていた財産が相続財産だと知らなかった
  • 自分が相続申告の対象だと知らなかった

というケースも往々にしてあります。

相続専門の税理士であればどのようなものが相続財産に該当するのか、どのようにして相続財産を調べればよいのかを丁寧に教えてくれます。また自分が相続税申告の対象になるかどうかも相談し、判断してもらうことができます。

相続税の税務調査で税理士は何をしてくれるの?

万が一税務署から連絡があり税務調査が入るという場合、税理士はどのようなことをしてくれるのでしょうか?

税理士は税務調査で以下のようなことをしてくれます。

この記事のポイント

☑税務調査の立ち合い・交渉

税務調査を受ける上でどのような資料を準備しておけばよいのか、税務調査員に対してどのような対応をすればよいのかを教えてくれます。
実際には税務調査員と税理士とのやりとりになる場合が多いです。
ベテランの税理士ですと調査がある場合、税務調査員がどの部分について調査をしようとしているかを経験によりある程度把握しているため、事前に準備をしておくことができます。

☑税務署との連絡

税務調査員から依頼されていた資料の提出、問い合わせに対する解答など税務調査を終えたあとでも税務署と何度か連絡を取り合わなければなりません。税理士が間に入っていればこのようなやりとりも税理士に依頼することができます。

☑相続税の修正申告・更生の請求

税務調査が入って万が一修正申告がある場合、または収めた税額が返ってくる(更正の請求がある)場合にはもう一度申告書を作成し税務署に提出しなければなりません。この一連の手続きも税理士に依頼することができます。

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税理士に相続税申告の相談をする際の注意点

最後に税理士に相続税申告を相談する際の注意点をいくつかご紹介します。

依頼する税理士は本当に”相続専門”の税理士ですか?

相続税申告の依頼を税理士にする場合、依頼する税理士が相続の専門であるかどうかを確認しましょう。
税理士とひとくくりに言っても医者に内科、外科、整形外科、脳神経外科など様々な分野があるように税金にも所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、事業税と様々な種類があります。税理士にはそれぞれ得意、不得意の分野がありますので、依頼する税理士が相続に精通している税理士であるかを確認しましょう。

☑依頼する税理士が相続の専門であるかを確認する

相談する税理士の相続件数の実績

相談する税理士が相続の専門であるかどうかの確認方法は、その税理士の相続の実績件数を確認することです。税理士によっては年間1~2件のしか相続の案件を扱っていない税理士もいます。そのような税理士では「申告」はできますが深い部分までの「相談」をすることは難しいかと思います。
選ぶなら相続の経験が豊かで申告だけでなく節税やそのその他の部分まで相談にのってくれる税理士を選びましょう。
また相続税の手続きは半年から1年と長い付き合いになりますので一度会うなどして税理士との相性も確認しておきましょう。

税理士に相続税の相談をするメリットまとめ

いかがだったでしょうか?
税理士を相続に相談するメリットとして

  1. 時間の確保
  2. ペナルティの回避
  3. 小規模宅地の特例を受けられる
  4. 配偶者控除を受けられる
  5. 二次相続を踏まえた計算
  6. 土地の評価額をおさえる
  7. 税務調査での立会い

について紹介させていただきました。

相続といっても一生のうちに何度も経験するものではありません。全てを自分でやってみると膨大な時間がかかるとともに、加算税や税務調査を受けるというリスクも高くなります。
経験豊かで良い税理士との出会いが安心した相続の鍵となります。時間をかけてでも良い税理士を探すことをお勧めします。

税理士に相談するメリット

  • 税務書類の作成や税務署への確定申告作業をすべて代行
  • 無駄な税金を支払う必要がなくなる
  • 現状の把握やアドバイスを受けることができる