相続税の節税方法 2018/9/11

相続したマンションを売却する時にかかる税金の種類と節税方法を解説

相続したマンションを売却する時にかかる税金の種類と節税方法を解説
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相続したマンションは、活用予定がない、現金が必要などの場合は維持費や固定資産税を考えると売却したほうがよい場合もあります。売却時の税金負担を減らすには、そのマンションの用途と、計画的な遺産分割と、売却のタイミングがポイントです。

相続マンション売却時にかかる3つの税金

相続不動産については、相続した時に相続税を払ったのだから、売却時には税金はかからないのでは?と考える方もいるでしょう。しかし、相続不動産であっても売却したことで利益が生ずれば税金がかかります。
相続したマンションは、相続手続きが終われば相続人の資産ですので、通常の不動産取引で必要な印紙税などの税金も当然、相続人が負担します。

相続したマンションを売却する時にかかる税金は、次の3つです。

  1. 印紙税
  2. 抵当権抹消登記にかかる登録免許税
  3. 譲渡所得税

相続したマンションの売却時にかかる印紙税とは

相続したマンションの売却する際にかかる印紙税とは、売買契約書に添付する収入印紙のことです。必要な印紙税の額は実際の売買金額によって異なります。
また、2018年3月31日までは租税特別措置法により10万円を超える売買に関して税額が引き下げられています。

契約金額ごとの印紙税額

契約金額 印紙税 印紙税(平成26年4月1日~平成30年3月31まで)
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1千万円以下 10,000円 5,000円
1千万円を超え5千万円以下 20,000円 10,000円
5千万円を超え1億円以下 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下 100,000円 60,000円
5億円を超え10億円以下 200,000円 160,000円
10億円を超え50億円以下 400,000円 320,000円
50億円を超える 600,000円 480,000円

抵当権抹消登記にかかる登録免許税とは

相続したマンションのローンを完済していない場合などは、マンションにはまだ抵当権がついています。抵当権とは、銀行がマンションに設定している保険のようなものです。
相続したマンションを売却する際は、売却によってローンの残額を完済するため、抵当権が外せるようになります。そして、抵当権を外していないと売却はできません。
抵当権抹消登記にかかる登録免許税は不動産1つにつき1,000円です。それ以外に抹消登記を司法書士へ依頼する費用が1万円程度かかります。

相続したマンション売却時にかかる譲渡所得税とは

相続したマンションを売却した際に利益がでると、譲渡所得税がかかります。

譲渡所得税の内訳は以下の通りです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税(平成25年から平成49年まで)

譲渡所得税額の計算方法

譲渡所得税額は次の計算式で求められます。

譲渡所得税額=課税譲渡所得金額×課税所得税率

課税譲渡所得金額の計算方法

相続したマンションを売却した時の課税譲渡所得金額の計算は次の通りです。

課税譲渡所得金額=売却価格-(取得費+譲渡費用)

取得費には取得価格の他に不動産の登録免許税、印紙税、仲介業者への手数料などを含みます。マンションは取得費から建物部分の減価償却費を差し引きます。

取得価格を証明する書類がない場合や、取得価格が不明な場合は売却価格の5%を取得費とします。また、実際の取得費が売却価格の5%よりも低い場合は売却価格の5%を取得費とできます。

譲渡費用とは、相続したマンションを売却した際の仲介手数料や印紙代などです。

保有期間ごとの課税譲渡所得税の税率

譲渡所得税の税率は、取得期間によって異なります。相続したマンションの保有期間が5年を超えるかによって、税率が2倍近くも変わってきますから、注意しましょう。
相続不動産の場合の保有期間は、相続開始時ではなく、被相続人がその相続財産を取得した時点から計算します。

譲渡所得税率

  保有期間 所得税 住民税 復興特別所得税
長期譲渡取得 5年超 15% 5% 15%で計算した所得税額の2.1%
短期譲渡取得 5年以下 30% 9% 30%で計算した所得税額の2.1%

相続したマンションを売却する際の特例について

相続したマンションを売却する際に利用できる特例について説明します。

取得費加算の特例とは

取得費加算の特例を適用すると、相続したマンションに相続税が発生した場合に売却時の税負担を抑えられます。
適用要件は、相続税発生後3年以内の売却です。相続時に支払った相続税を譲渡費用などと同じく、売却価格から引いて計算することで課税譲渡所得金額が少なくなり、節税できます。
マンションを相続した際に多額の相続税を支払った場合などは、この特例の適用で大きな節税となるでしょう。

3,000万円特別控除とは

相続したマンションに相続人が住んでいて、それを売却する場合には、3,000万円特別控除の対象となります。3,000万円特別控除とは、マイホームを売却したときの売却益について3,000万円まで控除できる制度です。
相続開始前から被相続人と同居していた場合はもちろん、相続開始後に居住した場合も対象です。

節税するには売却時の税額を把握することが重要

相続したマンションを売却する場合、そのマンションの用途や売却するタイミングによってかかる税金が大きく変わってきます。

取得費が不明で売却価格の5%を取得費とする場合や、被相続人が地価の安かった頃に取得したマンションが急激に値上がりした場合などは、多額の税金を負担する可能性もあります。
マンションの建物部分は減価償却しますから、築年数によっては取得費が時価よりもかなり安く計算され、思いもよらず売却益が出ることもあります。

3,000万円特別控除を受けるには実際に居住しなければいけない

税負担が大きくなりそうな場合は、相続したマンションに居住し3,000万円特別控除を受けるのが一番の節税方法ですが、それをできない場合も多いでしょう。
3,000万円特別控除を受けるには住民票を移すだけではなく、実際に居住しなければいけません。
相続したマンションが遠方にある場合や、すでにマイホームを所有している場合、家族構成などにより相続したマンションが居住に適さない場合などは、転居するのは難しいでしょうから、3,000万円特別控除は受けられません。

取得費を証明する資料は必ず用意する

取得費が不明な場合に、売却価格の5%を取得費とすると、売却金額の95%に対し課税されてしまい税負担が大きくなります。
取得費を証明する売買契約書が見つからなくても、購入金額がわかる別の資料を代わりに使用できる可能性があります。詳しくは税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

遺産分割の際に売却時の税金を意識する

あらかじめ、相続不動産であるマンションを売却する予定で遺産分割をする場合もあるでしょう。その場合は、誰が相続すると売却時の税負担が軽くなるかを意識するとよいでしょう。
相続開始後にそのマンションに実際に居住できる相続人が相続をすれば、売却時に3,000万円特別控除を受けられるからです。

また、もしも時価が同額のマンションが2つあったとして、2人の相続人がそれぞれ1つずつのマンションを相続した場合でも、売却時の税負担には大きな差がでる可能性がありますので注意しましょう。
取得費が5,500万円で時価が5,000万円のマンションは売却しても売却益が出ず、譲渡所得税がかかりません。
しかし、取得費が4,500万円で時価が5,000万円のマンションでは、売却益がでますから譲渡所得税がかかります。
このように、売却を前提とした遺産分割では、売却時の税金負担額も把握しておくことが必要でしょう。

相続したマンションを売却する際には税理士に相談を

相続したマンションには、固定資産税や維持費などがかかります。居住しない場合や賃貸などに供する予定がない場合は、売却を検討するのも一つの方法でしょう。
しかし、相続したマンションでも売却する際は税金がかかります。各種特例の適用を受けたり、遺産分割の際に工夫することで税金の負担を抑えたいところですね。

相続したマンションの売却を検討している方は、詳しい節税方法について一度税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

税理士に相談するメリット

  • 税務書類の作成や税務署への確定申告作業をすべて代行
  • 無駄な税金を支払う必要がなくなる
  • 現状の把握やアドバイスを受けることができる