相続財産の評価 2020/8/5

ゆうちょ銀行の相続~他の銀行と少し異なる手続の方法と流れ

ゆうちょ銀行の相続~他の銀行と少し異なる手続の方法と流れ
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ゆうちょ銀行の相続は、他の銀行と異なり少々面倒な手続きが必要です。処理に時間がかかる可能性もあるので、早めに手続きを行いましょう。ゆうちょ銀行の相続手続きの流れと、必要な書類、スムーズに手続きするためのポイントについて解説します。

ゆうちょ銀行の相続手続きは面倒?

相続確認票の提出が必要

ゆうちょ銀行の相続手続きでは、まず相続確認票を提出しなければなりません。相続確認票には法定相続人の相続関係図の記入などが必要です。相続人が多い場合には大変な作業でしょう。

相続確認票の記入欄
<相続確認票の記入欄:ゆうちょ銀行公式ホームページより抜粋>

複数回ゆうちょ銀行へ出向く必要がある

相続確認票の受け取り、提出、必要書類の提出、払戻金の受領などで、ゆうちょ銀行へ数回出向く必要があります。平日日中に時間の取れない方は日程調整が難しいかもしれません。

窓口では手続きをしてくれない

ゆうちょ銀行の相続手続きは窓口ではできません。貯金事務センターというところで一括して行っています。窓口は受付のみの対応ですから、相続手続きに関する質問にすべて答えられるとは限りません。貯金事務センターから必要な書類が郵送されてきますから、手続きに時間がかかることもあります。

他行への振り込みはしてくれない

ゆうちょ銀行は、相続払戻金を他の銀行へ送金してくれません。また、各相続人にいくらずつ、という入金にも対応していません。そのため、相続人の代表を決めてその方の口座へまとめて入金する、もしくは払戻証書を受け取り、ゆうちょ銀行で現金化した上で自ら他行への振込等を行う必要があります。

相続払戻金が多額な場合は、ゆうちょ銀行へ連絡したうえで払戻金を受け取りに行った方がよいでしょう。窓口で現金が不足してしまう可能性があるからです。

ゆうちょ銀行の相続手続きの流れ

相続確認票をもらいにいく

ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口へ相続確認票をもらいにいきます。口座を開設した郵便局でなくとも、全国どこの窓口でも手続きができます。

相続確認票に記入

遺言書の有無や遺産分割協議書の有無、被相続人の住所氏名や貯金の種類・通帳の記号番号、相続関係図などを相続確認票に記入します。払戻しをするか名義変更をするかも、ここで記入します。

ゆうちょ銀行にある資産内容が不明な場合

相続確認票へは相続する貯金等の詳細の記入が必要です。被相続人がゆうちょ銀行に持っていた資産が不明な場合、窓口では教えてもらえません。

その場合は口座を調査する必要があり、残高証明書を発行してもらうための手続きがさらに必要となります。被相続人の戸籍謄本や相続人の戸籍謄本などや、所定の発行手数料が必要です。

<残高証明書発行のために必要なもの>
被相続人関係 死亡の事実がわかる戸籍謄本等
相続人関係 相続人であることがわかる戸籍謄本等
本人確認のできる書類(運転免許証等)
印章(はんこ)
その他 発行手数料:1通につき510円(税込み:2018年9月現在)

相続確認票の提出

ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口へ相続確認票を提出します。貯金事務センターへ直接郵送することはできません。

必要書類の案内が届く

相続確認票を提出して1~2週間で、相続手続きの必要書類の案内が届きます。相続手続きでは個々に必要書類が異なるため、このような手順を踏んでいるようです。

必要書類をそろえる

ゆうちょ銀行に限りませんが、口座の相続で一番大変なのは必要な書類を集めることです。聞きなれない書類も多く、準備に手間取るかもしれません。

相続手続請求書への自筆と押印(相続人全員)

相続人全員が相続手続請求書へ自筆、実印での押印をします。

相続手続請求書
<相続手続請求書:ゆうちょ銀行公式ホームページより抜粋>

*手続きの内容等により様式は異なります

相続手続請求書を窓口に提出

必要書類を添えて相続手続請求書を提出します。相続確認書を提出した郵便局へ提出するのが原則となっています。貯金事務センターへ直接郵送することはできません。窓口では必要書類がそろっているかなどのチェックをします。

代表相続人の口座へ振り込み

相続手続き請求書の提出から1~2週間ほどで相続払戻金が入金されます。口座への入金ではなく払戻証書や名義書換えを希望した場合は、簡易書留郵便で郵送されてきます。

相続手続きでゆうちょ銀行へ行く回数を減らすには

相続確認票はダウンロードできる

相続確認票はゆうちょ銀行のホームページからダウンロードできます。印刷ができるのであれば、窓口に出向くよりも早いでしょう。

Webで必要書類を確認

相続手続きに必要な書類はゆうちょ銀行の「相続Webサービス」でも確認できます。ただし、被相続人がゆうちょ銀行で投資信託を購入していた場合や口座の状況などによっては利用できないケースもあります。

「相続Webサービス」を利用すると相続確認票の提出と同じことができますので、相続確認票の受け取りと提出にゆうちょ銀行へ出向く手間が省けます。

窓口で受付した場合、相続手続請求書の用紙は「必要書類のご案内」に同封されて郵送されますが、「相続Webサービス」ではダウンロードして印刷し、記入することになります。

相続コールセンターで確認

ゆうちょ銀行では、相続手続きに関しての質問は相続コールセンターで受け付けています。不明な点などは電話で随時確認しつつ、準備を進めると書類の不備などのミスが起こりにくくなるでしょう。相続コールセンターは平日日中のみ受付しています。

ゆうちょ銀行の相続手続きに必要な書類

ゆうちょ銀行の相続手続きに必要な書類は、個々のケースにより異なります。ここでは代表的なものをご紹介します。

相続請求書

相続人全員の署名・実印で押印した相続請求書が必要です。

遺言書

遺言書がある場合は提出が必要です。公正証書遺言以外は、検認調書も添えて提出します。

遺産分割協議書

遺産分割協議書がある場合は提出が必要です。

被相続人の出生から死亡までの戸籍

被相続人の出生から死亡までの戸籍の原本が必要です。窓口でコピーしてもらい、原本をその場で返却してもらうこともできます。

被相続人の通帳及びカード

被相続人のゆうちょ銀行の通帳やカード、預金証書などが必要です。

相続人全員の戸籍

相続人全員の戸籍の原本が必要です。窓口でコピーしてもらい、原本をその場で返却してもらうこともできます。

相続人全員の印鑑証明書

相続人全員の印鑑登録証明書が必要です。(発行してから6カ月以内のもの)

相続人代表者の本人確認書類

相続人代表者の本人確認書類として免許証やパスポートなどが必要です。

相続人代表者の通帳

相続払戻金をゆうちょ銀行の口座へ入金する場合は相続人代表者の通帳が必要です。

委任状

ゆうちょ銀行の相続手続きは代表相続人が行いますが、代理人でも大丈夫です。その場合は委任状が必要です。

ゆうちょ銀行の相続手続きは税理士に相談を

ゆうちょ銀行の相続手続き一つだけでも、相続の手続きはとても面倒で時間のかかるものです。相続の手続きについては、税理士などの専門家へ一度相談することをおすすめします。

税理士に相談するメリット

  • 税務書類の作成や税務署への確定申告作業をすべて代行
  • 無駄な税金を支払う必要がなくなる
  • 現状の把握やアドバイスを受けることができる