税理士の選び方 2018/9/20

相続の資格はそれぞれどう違う?相続相談に適した専門家の選び方

相続の資格はそれぞれどう違う?相続相談に適した専門家の選び方
このエントリーをはてなブックマークに追加

相続に関わる資格は民間のものを含めると多岐に渡ります。しかし民間の資格には独占業務がなく、相続の専門家としてふさわしいかの判断は難しいところです。そこで今回は、相続の相談に適した専門家の選び方について解説します。

相続税全般に対応する国家資格・税理士

税理士なら相続税負担を加味したアドバイスができる

相続問題について税理士へ相談することの最大のメリットは、相続税の負担を加味したアドバイスを受けられることです。相続税の相談や相続税申告業務は税理士の独占業務です。独占業務とは、許可された人のみが行うことができると法律で定められている業務です。相続税が発生する場合は税理士へ相談しましょう。

税理士なら生前贈与の相談もできる

相続が発生する前に家族への負担を減らすために終活をする方も増えていますね。税理士なら、生前贈与などを用いた計画的な相続税対策についても相談できます。

相続税ゼロでも特例を適用するなら税理士へ

相続税がゼロ、負担なし、という場合も申告が必要なケースはあります。特例の適用をうけることで相続税負担がなくなるケースなどです。その場合相談相手としては、やはり税理士が適任です。

相続税に詳しい税理士を選択することがポイント

一口に税理士と言ってもそれぞれ得意分野があります。また、税理士試験の中でも相続税法は選択科目ですから、相続税法の知識のない税理士も存在します。ですが、相続税法を受験していなくても税理士にはなれますし、相続税の申告業務もできます。相続についての実務経験が豊富であれば問題はありません。

相続に関する相談をする際は、相続税、相続問題に詳しい税理士を選ぶことがポイントです。

おすすめ税理士を今すぐ探すおすすめ税理士を今すぐ探す

相続の交渉ができる国家資格・弁護士

交渉や代理人が必要なら弁護士へ相談

遺産相続に関する法律業務の代行は弁護士の独占業務です。相続の法律業務とは、代理人として他の相続人との交渉にあたったり、調停や訴訟が生じた際に代理人となることです。

弁護士への相談にはデメリットも

相続税負担を考慮していないアドバイスになることも

弁護士は遺産分割で揉めた場合に解決法を助言したり、実際に相手方と交渉をしたりします。すべての相続人が納得するように平等や個々の状況に配慮をし、適切な遺産分割方法をアドバイスしてくれますから、当事者のストレスが減り、トラブルも解決するかもしれません。

しかしこれは、相続税負担を考えた時に、適切な遺産分割とは限りません。相続税負担額は遺産分割の方法によって大きく変化します。ケースによっては納税額に何十倍もの差が生まれることがあります。「特例を利用すれば税負担がゼロのはずだったのに、高額な相続税負担が生じてしまった」「次の相続で高額な相続税負担が生じてしまった」などの事態が起こりかねないのです。

家族でも別々の弁護士が必要?

弁護士は代理人になると、依頼した人の利益を最大限に追及するのが務めです。ですから同じ家族であっても利益相反(りえきそうはん)する相手には別の弁護士が必要です。

遺産分割では特定の相続人の取り分が増えれば、他の相続人の取り分は減りますから、家族間で揉めることも多々あります。その際にわざわざ別々の弁護士に依頼となれば、少しの話し合いで済んだはずのトラブルが、大事になってしまうリスクもあります。

相続の法的手続きができる国家資格・司法書士

司法書士は登記手続きの専門家

司法書士の得意分野は登記です。相続登記など、相続に関する手続き全般を依頼できます。相続登記は弁護士も行えますが、実質的には司法書士が行うことがほとんどです。また、近年相続対策として注目されている家族信託(民事信託)を得意とする司法書士もいます。

その他の相続に関わる国家資格

行税書士

行政書士というと弁護士や司法書士と近いイメージを持っている方も多いでしょう。しかし行政書士には相続登記を代行したり、代理人として交渉を行う権利はありません。面倒な書類の作成を代行してくれますし、気軽に相談できるメリットはあるでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP技能士)

ファイナンシャルプランナー(FP技能士)も国家資格です。相続の実質的なサポートというよりは、人生全体の資産プランニングの中で相続に関してもアドバイスが可能です。

不動産鑑定士

相続財産に不動産がある場合は、不動産鑑定士に鑑定を依頼することもあるでしょう。不動産の適正な価格を把握することで、遺産分割がスムーズに進むメリットがあります。

税理士に相続の相談をしていく中で、不動産鑑定士への依頼が必要な場合は、税理士から不動産鑑定士を紹介してもらえることがほとんどでしょう。司法書士や行政書士も紹介してもらえますから、それぞれの専門家を再度探す必要はありません。

相続に関する民間資格

相続の民間資格に独占業務はない

近年は高齢化の影響もあり、相続に関する相談のニーズが増えています。それに伴い相続関連の民間資格が増えつつあります。しかし、民間資格には国家資格のような独占業務はなく、結果的に国家資格を持つ士業へ依頼することになります。

民間資格であっても相続に関して一定の知識を持っているという安心感はありますが、それぞれの専門家へ直接問い合わせた方が早いケースも多いでしょう。代表的な民間資格をご紹介します。

相続士

相続士とは、NPO法人日本相続士協会が認定している民間資格です。初級・普通・上級があり、上級認定には上級資格認定講習の受講が必要です。税理士や弁護士、司法書士やファイナンシャルプランナーなどの相続の専門家と連携して、アドバイスを行います。

相続診断士

相続診断士とは、一般社団法人相続診断協会が認定する民間資格です。相続診断士と、上級相続診断士があります。「相続診断」をして、相続と家族の問題に向き合い、トラブルが起こる前に税理士などの専門家と共に対策を行います。

相続鑑定士

一般社団法人全国相続鑑定協会が認定する民間資格です。相続人と、司法書士や税理士、不動産鑑定士などの相続の専門家とのまとめ役を担います。

相続カウンセラー

一般社団法人日本相続コンサルティング協会が認定する民間資格です。初級・上級・マスターがあり、初級は初期ヒアリング、上級は専門家への橋渡し、マスターは士業やファイナンシャルプランナーなどのプロ向きです。

相続の民間資格はあくまで橋渡し役

相続に関する業務は独占業務資格がある以上、民間資格でできる範囲は狭くなります。あくまで税理士などの専門家への橋渡し役だと覚えておくとよいでしょう。

相続の相談は税理士へ

すでに相続争いが発生してしまっていて代理人が必要ならば弁護士へ相談してもよいでしょう。相続税が将来的にも100%発生しないのであれば司法書士への依頼だけで済むケースもあります。相続の書類作成だけを依頼したいなら行政書士へ依頼すれば事足りますし、費用も若干安く済みます。

ですが、「相続税がかかるかどうかも不明」「相続争いが起こる前に解決したい」「終活のために相続の相談をしたい」など、相続に関する相談内容は人それぞれです。その場合に、一番確かなのは相続税に強い税理士に相談することです。相続税がかかるケースでは、その負担は驚くほど大きなものです。

税理士なら相続税負担を加味したアドバイスができます。相続の相談をどこにしたらよいか迷ったら、まずは税理士に相談することをおすすめします。

税理士に相談するメリット

  • 税務書類の作成や税務署への確定申告作業をすべて代行
  • 無駄な税金を支払う必要がなくなる
  • 現状の把握やアドバイスを受けることができる